自己効力感が高いと得られる効果
自己効力感とは
自己効力感とは簡単にいうと、自分に対する期待や自信のことを言います。
「自己効力感(self-efficacy・セルフ・エフィカシー)」 とは、カナダ人心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念です。
自分には能力がある、自分なら達成できると思える人は自己効力感が高く、自分には能力がない、どうせできないと思っている人は自己効力感が低いと言えます。
自己効力感と自己肯定感の違い
自己効力感は自分に対する評価であるのに対し、自己肯定感はありのままの自分を受け止めることを指します。能力や容姿、財産などにかかわらず自分自身を価値ある存在だと認められる人が自己効力感が高いと言えます。
自己効力感を高める効果
自己効力感を高めると物事を肯定的に見ることができます。そして新しいことにチャレンジする力も、困難を乗り越える力も高まります。
この自己効力感は健康面でも影響しています。病気を予防するための健康行動をとる、または生活を改善するために積極的に規則正しい食生活や運動習慣を取り入れる、なども自己効力感が高い人ほど行動につながりやすいのです。
またがんや慢性疾患を持つ患者さんも自己効力感を高めることで副作用の辛さや疾患への受け止め方を軽減できたり、QOLも高まる傾向にあります。
自己効力感の高め方とは
ポジティブな体験を思い出す
過去に体験した肯定的な体験を書き出してみましょう。それはちょっとしたことでも大丈夫です。小さい頃のことでもいいですし、人に褒められたことや感謝されたことなど、自分の中でポジティブな印象として残っていることをより具体的に思い出します。
目標を達成している自分をイメージする
脳は実際にあったこととイメージしたことを区別できません。そのため事実かどうかより、達成したいかどうかの方が成し遂げる上では重要なのです。
ポイントは未来の成功体験をよりリアルに描くことです。
・目標を達成した時誰と一緒にいて、どんな風景が見える?
・目標を達成した時聞こえる声や音は?
・目標を達成した時どんなことを感じる?
自分に問いかけながらイメージを膨らませてください。
言葉の説得で高める
あなたならできる、こうすればもっと良くなる、などの他者からの肯定的な言葉はモチベーションアップにつながります。だからこそまずは自分を認めてくれる、信頼できる環境を見つけ、相談相手を正しく選ぶことが重要です。
家族や友人でもいいですし、専門家に相談するのもおすすめです。
体調を整える
疲れている時、ストレスが溜まっている時、寝不足の時など体調が悪い時は物事を悪い方向に考えてしまいます。まずは規則正しい食事と睡眠をとり、自分の体を整えることを意識しましょう。
ご自身の心と体の健康のためにも、まずは自己効力感を高められる習慣を日常に取り入れてみてください。
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辛い時は一人で悩まず、お気軽にご相談くださいね。
(参考)
坂野雄二・東條光彦(1986),「一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み」
林亜希子・安藤詳子(2010),「外来がん化学療法患者における自己効力感の関連要因」