ストレスに強い心を作る!レジリエンスの意味と高め方

レジリエンスとは

レジリエンスとは「回復力」「復原力」あるいは「弾力性」「しなやかさ」などと訳されます。

初期の研究では紛争地域やスラムに暮らす子供を対象としたものが多く、近年は災害や人を苦境に陥れる困難な状況から「立ち直る力」として注目を集めています。

なぜレジリエンスが大切なのか

私たちが生活する上では楽しいこと、嬉しいことばかりでなく、人間関係や仕事などで不安になったりストレスを感じる場面が発生します。その場合「危機回避」の本能としてその状況から逃げるという選択をする場合もありますが、それだけでは人の成長や自己実現は達成できません。

人生をより豊かにするためにはストレス源を無くそうとするだけでなく、乗り越える力を身につける必要があります。

レジリエンスを高めると

心身の健康が保てる

レジリエンスが高まると困難が発生した時、悩んだり苦しんだりすることが減ります。ストレスが大きいと自律神経やホルモンバランスの乱れにより身体面にまで影響が出る場合もありますが、レジリエンスが高い人はトラブルに対しても楽観的に捉えることができ、心身ともに安定した生活を過ごすことができます。

挑戦・成長できる

人は困難を乗り越えるときに成長するものです。あらゆる困難を乗り越える力を身につけることで人間的にも成長でき、また自ら新しいことに挑戦するモチベーションも高まります。

レジリエンスを高める方法

それでは具体的にどのようにしてレジリエンスを高めていくかご紹介していきます。

自分の安心できる場所をみつける

まずは家族や友人、恋人など自分が安心できる居場所を見つけましょう。気軽になんでも話せる場所がない場合ははカウンセリングなどの専門家に頼るのもおすすめです。自分にとっての心理的安全を確保しましょう。

感情をコントロールする

認知行動療法などの心理療法を活用しながら事象に対して発生した感情や思考を分析する方法です。全ての物事は見る人の認知・考え方で決まります。同じ出来事でもネガティブに受け取る人もいればポジティブに受け取る人もいます。

ネガティブな感情を作っていた原因となる思考の癖を見つけることで改善することができます。

自己効力感を高める

自己効力感とは自分が目標を達成するための能力や可能性がある認識することです。自己効力感が低いと「どうせ自分には無理だ」「やめてしまったほうが楽だ」などと諦めたり回避する方向へ考えが働いてしまいます。自分自身の能力を信じ、困難に対して乗り越える力を持っていると思えることが大切です。

自己効力感の高め方

これらの方法をぜひ実践してみてください。皆様の日々の人生がより豊かになることを祈っています!

参考資料:公認心理士完全合格テキスト,翔泳社

健康に影響大⁉︎自己効力感(セルフ・エフィカシー)の高め方と自己肯定感との違いとは

自己効力感が高いと得られる効果

自己効力感とは

自己効力感とは簡単にいうと、自分に対する期待や自信のことを言います。

「自己効力感(self-efficacy・セルフ・エフィカシー)」 とは、カナダ人心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念です。

自分には能力がある、自分なら達成できると思える人は自己効力感が高く、自分には能力がない、どうせできないと思っている人は自己効力感が低いと言えます。

自己効力感と自己肯定感の違い

自己効力感は自分に対する評価であるのに対し、自己肯定感はありのままの自分を受け止めることを指します。能力や容姿、財産などにかかわらず自分自身を価値ある存在だと認められる人が自己効力感が高いと言えます。

自己効力感を高める効果

自己効力感を高めると物事を肯定的に見ることができます。そして新しいことにチャレンジする力も、困難を乗り越える力も高まります。

この自己効力感は健康面でも影響しています。病気を予防するための健康行動をとる、または生活を改善するために積極的に規則正しい食生活や運動習慣を取り入れる、なども自己効力感が高い人ほど行動につながりやすいのです。

またがんや慢性疾患を持つ患者さんも自己効力感を高めることで副作用の辛さや疾患への受け止め方を軽減できたり、QOLも高まる傾向にあります。

自己効力感の高め方とは

ポジティブな体験を思い出す

過去に体験した肯定的な体験を書き出してみましょう。それはちょっとしたことでも大丈夫です。小さい頃のことでもいいですし、人に褒められたことや感謝されたことなど、自分の中でポジティブな印象として残っていることをより具体的に思い出します。

目標を達成している自分をイメージする

脳は実際にあったこととイメージしたことを区別できません。そのため事実かどうかより、達成したいかどうかの方が成し遂げる上では重要なのです。

ポイントは未来の成功体験をよりリアルに描くことです。

・目標を達成した時誰と一緒にいて、どんな風景が見える?

・目標を達成した時聞こえる声や音は?

・目標を達成した時どんなことを感じる?

自分に問いかけながらイメージを膨らませてください。

言葉の説得で高める

あなたならできる、こうすればもっと良くなる、などの他者からの肯定的な言葉はモチベーションアップにつながります。だからこそまずは自分を認めてくれる、信頼できる環境を見つけ、相談相手を正しく選ぶことが重要です。

家族や友人でもいいですし、専門家に相談するのもおすすめです。

体調を整える

疲れている時、ストレスが溜まっている時、寝不足の時など体調が悪い時は物事を悪い方向に考えてしまいます。まずは規則正しい食事と睡眠をとり、自分の体を整えることを意識しましょう。

ご自身の心と体の健康のためにも、まずは自己効力感を高められる習慣を日常に取り入れてみてください。

ウェルビーイングナースではオンライン上で看護師による個別サポートもしています。

辛い時は一人で悩まず、お気軽にご相談くださいね。

(参考)

坂野雄二・東條光彦(1986),「一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み

林亜希子・安藤詳子(2010),「外来がん化学療法患者における自己効力感の関連要因

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