今注目されている well-being。理解はできてもどのように生活を変えたり、社内でアプローチすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのがACTです。
そこで今回はACTを活用したwell-beingへのアプローチをご紹介していきます。
ACTがwell-being向上に有効な理由
まずwell-beingという言葉を定義するには、誰にとってのwell-beingかを考える必要があります。社会にとって、会社にとって、環境にとって、など様々な視点がありますが今回は個人、一人一人のwell-beingという視点で考えます。
マインドフルネスをベースにした心理療法である
ACTのベースはマインドフルネスを取り入れたものであり、様々な方法で今この瞬間と向き合う手段を作ります。カウンセリングナースでは皆様が取り入れやすいようグループでのマインドフルネス瞑想やヨガをオンラインで行っています。マインドフルネスはストレスの軽減や集中力の向上、感情を安定させたりなど多くのメリットがあります。結果的にポジティブな感情に繋がりやすく、well-being向上においてマインドフルネスの概念は非常に重要になります。
レジリエンスが高まる
ACTでは自分の悩みや課題と向き合うことで自己の感情や思考を客観的に見る能力が養われます。さらに自分が落ち込んだ時、悩んだ時に自動的に考えてしまうことなどを文字に起こすことによって囚われていた考え方に気がついたり、ネガティブな感情や問題に対する自分なりの対処法を見つけやすくなるのです。
自分の価値や大切なことを再認識するきっかけになる
well-being向上において非常に重要なのは自分にとって大切なものやことを自覚しているということです。人間は社会性のある生き物であるため、人との繋がりを本能的に求めています。つながりを求めすぎる故に自分の意思より周りに合わせてしまい、結果的にいきづらさを感じたり、満たされない日常を送ることになります。
そんな方に最も必要なのは「自分にとっての価値」を言語化し明確にすることです。ACTでは価値を明確にし、価値に沿った行動が取れるようサポートします。
ACTの6つのプロセス
ACTとはAcceptance and Commitment Therapyの略でマインドフルネスをベースに行動変容の方略を用いた心理的柔軟性の向上を目指す心理療法です。
ACTは6つのコアとなるセラピープロセスからなっており、それらを大きく3つに分けることができます。
1オープンになる
・脱フュージョン
自分の思考や想像、記憶から一歩下がり自分を切り離す、あるいは距離を置くことです。自分の思考に囚われ振り回されるのではなく、ただ一歩下がり観察します。そうすると自分の思考はただの言葉や映像でしかないと分かってくるようになります。
・アクセプタンス
痛みを伴う感情や感覚に心を開いて、受け入れる場所を作ることを指します。無理に消そうとしたり、逃げ出したり、争ったり苦しむのではなく、辛い気持ちが呼吸できる場所を作り、置いておくというイメージです。
2今ここにいる
・文脈としての自己
マインドという言葉には実は二つの異なる要素があり、考える自分と観察する自分が含まれています。思考、記憶、判断、計画と言ったものを生み出すものが前者であり、自分が何を考えているのか、何をしているのかを意識している部分が後者になります。身体や思考、感情、役割は変わっても観察している「自分自身」は変わらないのです。「観察する自己」とも表現されます。
・今この瞬間
体だけでなく心が今ここにあること、つまり今起きているすべてのことに意識を向け関わりを持つことです。私たちは常に過去や未来について考えることに夢中で、知らぬ間に自分の思考にのめり込み自動的に思考を働かせています。これは意識的に今この瞬間に注意を払うと言った意味もあります。
3価値に沿ったことをする
・価値(何が大切かを知る)
心の奥底で自分の人生がどうありたいと思っているかどうかです。結婚する、お金を〇〇円稼ぐと言った結果ではなく、継続的にどう行動するかを表す指標のようなものです。自分の価値をはっきりさせることは人生を有意義にする上で欠かせない手順です。
・コミットされた行為
勝ちに導かれながら効果的な行動をとることを指します。価値がわかっても行動を継続的に取らなければ有意義な人生は手に入りません。コミットされた行為とはたとえ痛みや不快な思いを伴っても勝ちに従って生きるために必要な行動をするということです。
ACTの活用法
本で学ぶ
まずはACTを理解するためにおすすめの本を紹介します。
ラスハリスさんの「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)」
もともと心理学を学んだことがないという方にも理解しやすい内容になっています。この本を読んでから生活に取り入れやすい形で進めていくのもおすすめです。
専門家と話す
本を読んだとしても、実際にACTを生活に取り入れるのは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。やはり最も有効なのはコーチングを受けながら取り組むことです。客観的な視点を持つために、まずは専門家に話してみましょう。