【保存版】Well-being(ウェルビーイング)とは?なぜ注目されているのか。
2021.09.24
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ウェルビーイングの意味と使い方
Well-being(ウェルビーイング)って聞いた事はあるけど何かモヤッとしてる。どうせ意識高いこだわりがある人だけが言ってること。なんて会話をよく聞くようになりました。本当は身近で簡単でみんなに感じて知って欲しいとても良い考え方なんです。今回は看護師の視点でウェルビーイングを紐解いてみます。
Well-being(ウェルビーイング)とは
Well-being(ウェルビーイング)とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。世界保健機関(WHO)憲章の前文では、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」とされています。
参考:世界保健機関(WHO)憲章とは|公益社団法人日本WHO協会
Well-being(ウェルビーイング)とHappiness(幸せ)の違い
「幸せ」という言葉は友達と遊んだり、恋人とデートしたり、おいしいものを食べたり、「楽しい」「嬉しい」などの単一的で一時的なものとして使われることが多いのに対し「ウェルビーイング」とは自らのために勉学に励むこと、他者に貢献し感謝されること、など単純に「快楽」的な気分が高揚した状態を指すものではなく、多面的で持続可能なことを指します。
Well-being(ウェルビーイング)とWellness(ウェルネス)の違い
同じような言葉でウェルネスという言葉があります。「ウェルビーイング」というのは、身体、精神、社会的に、すべてが満たされた状態。
「ウェルネス」というのは身体、精神、社会的に、豊かになることを目指すこと。ウェルネスには目指している「過程」「プロセス」という意味合いが含まれています。それに対して、ウェルビーイングは、「満たされた状態」という「結果」「ゴール」を表す意味合いが強いと言われています。つまり「ウェルビーイング」というゴールを目指すプロセスを「ウェルネス」と呼びます。
Well-being(ウェルビーイング)が注目される理由
なぜ、このような概念が注目され、必要不可欠であると世界が認めているのか。専門的に探るのではなく、みなさんに日常と将来の姿に照らして考えてみました。
歳をとる楽しみと不安
高齢化社会における疾病や介護、予防の考え方は実に多様になってきました。日常生活に制限なく健康的に過ごせる生涯の期間を健康寿命と呼んでいますが、2013年の調査によると、日本人の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳でした。2015年の平均寿命は男性80.75歳、女性86.99歳で、平均寿命との差は男性で9年以上、女性では12年以上に及んでいます。
健康寿命の延伸により、生活のQOL(Quality of Life)を向上させることができ、生活の満足度を長期的に維持することができます。
そして、一人一人が身体的、精神的健康を意識し健康寿命短縮の原因を一定程度抑えることで、高齢化社会となった日本で明るい未来を作ることができるのです。
参考:予防医療.jp
いろいろあって当たり前。多様性を認める社会とは
日本の社会課題である「少子高齢化」「人手不足」もあり近年では外国人労働者の数も増加しています。
ダイバーシティは「多様性」を意味しており、「人種、性別、国籍、障害の有無など、多様な人材を受け入れて活かす」ことを現す言葉としてビジネスシーンでも用いられるようになりました。
今後そのような社会で生きて行く私たちは「自分の思いや考えを伝えること」「立場の違う相手を理解すること」と言ったコミュニケーションが必要になってきます。
異なる価値観を受け入れる事は個人の満足度を高め、より生き生きと働くことができ、会社の生産性向上や社会の発展にもつながります。
自分にとって大切なもの。満たされる日々は自分で手に入れられる時代
多様性を認める社会になると、今までは「こうするべき」論に縛られていた私たちが自由になり、今度は「どうすればいいか分からなくなる」タイミングがくるのかもしれません。
「自分とは何だろう」
「何が自分にとって大切なんだろう」
ただ生活するために働くのではなく、自分らしく生きて行くために働き、そしてさらに自分だけの「大切なもの」を見つけていくのです。
いろんな体験をし、日々学び、感謝しながら自分だけの人生を作って行く。
well-beingな人生を送るにはどうすればいいか、まずは自分自身と向き合いながら「満たされている」と言える習慣作りをしていきましょう。
日本全体として内閣府もチカラを入れてる課題
世界から必要とされている概念であることは明白ですが、日本では一般の認識はまだまだといった感じです。ただ、重要な取組みとして政府主導で様々な調査が行われています。経済の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に活かしていくことを目的とする「満足度・生活の質に関する調査」がしっかりと行われています。 満足度・生活の質を表す指標群(Well-beingダッシュボード)では、国民生活を様々な角度から、統計データを用いて一覧表示していてとてもわかりやすいものになっています。
Wellbeingを構成する5つの要素
人間のポジティブな側面に焦点を当て持続的な幸福を追求する学問にポジティブ心理学といったものがあります。
ポジティブ心理学は1998年に米国心理学会会長を務めていたペンシルベニア大学教授のマーティン・セリグマン博士によって、心理学の新しい領域として新設されました。
ポジティブ心理学の考え方はウェルビーイングの実現と関連が高いと考えられており、5つの要素としてPERMAモデルが提唱されています。
- Positive Emotion(ポジティブ感情)
- Engagement(物事への積極的な関わり)
- Relationship(他者との良好な関係性)
- Meaning and Purpose(人生の意義の自覚)
- Achievement(達成感)
1 Positive Emotion(ポジティブ感情)
日々の生活の中で持つ肯定的な感情のことを指します。具体的には楽しい、嬉しい、愛や感謝の気持ちなどです。
肯定的な感情を見つけるようにしたり、思考や行動の選択肢を広げたり、個人のリソースを高めることでそのような状態を作り上げることができると言われています。
2 Engagement(物事への積極的な関わり)
時間を忘れて没頭すること、夢中になることがあるとそれ自体を楽しめるため幸福度が高まると言われています。
これは仕事でも趣味でもなんでも大丈夫です。その間他に思考を巡らせることなく、時間を忘れるくらい夢中になれることはありますか?その時が最も自分の最高のパフォーマンスを発揮している時だと言えます。
3 Relationship(他者との良好な関係性)
他者とのつながりは生活習慣病やメンタルヘルスにも大きく関係しています。タバコよりもお酒よりも孤独は最も健康寿命に影響するのです。
お金や今の体の健康状態よりも人とのつながりが少ない方の方が幸福度も低い傾向にあります。
信頼できる人間関係はとても重要なのです。
4 Meaning and Purpose(人生の意義の自覚)
長期的にみた人生の価値や目的のことを指します。一時的に体験することでなく、人生において何が重要か?どんなことに喜びを感じるのか?といったことを自分自身が認識し、それにそった行動を取ることで有意義な時間を送ることができます。
5 Achievement(達成感)
期間や実現度に関して適切な目標を設定し、それを達成した数だけ幸福度が高まります。小さな目標から大きな目標まで同時に設定したり、短期、長期に分けて設定することもおすすめです。
wellbeingと言ってもよくわからないという方はこれらを意識して行動してみてください。みなさんの日常がwellbeingであることを祈っています!