脳の仕組みを理解して感情コントロール!自分でできるストレス対処法

2021.10.20

心の健康

ちょっとしたことでイライラしたり、逆に不安や寂しさで落ち込んでしまったり、なんてことはありませんか?

このようなちょっとしたストレスでも正しく対処しないと、積み重ねで知らないうちに大きな負担になっていたり、うつ病などのメンタルヘルスに大きな影響を及ぼします。

今回は心を健康に保つ上でとても大切な脳のお話をしたいと思います!

まずは自分の脳について知る

大脳辺縁系

怒り、不安、恐怖など人の情動には多くの脳の部位が関わっています。その中で情動反応は大脳辺縁系とよばれるネットワークと結びついており、考えや物、人、出来事からあなたが世界をどう感じるかを決めます。

朝ごはんは何にしよう?どこで食べよう?など一瞬一瞬の判断には価値判断に基づいた細かい選択が必要となります。

こうした価値判断を下すことが大脳辺縁系の機能の一つです。価値に基づき私たちは快・不快を感じとり、不快だと感じた時にストレスを感じ、その刺激は自律神経や内分泌にも影響を与えます。

前頭前皮質

意思決定や問題解決は脳の前頭前皮質という領域に大きく依存しています。

前頭前皮質がないと私たちは「テレビをみよう」「買い物に行こう」といったような目標を叶えたり、「何時に家を出て」「どこに買いに行って」と言ったような計画を立てることも難しくなります。

大きくいうと人間性やコミュニケーション能力と言われているものが前頭前皮質の機能を表しています。

脳は危険な出来事に最も早く強く反応する

私たちの脳は常に危険から逃れようとし、そして常に報酬を得ようとします。

危険というのは車にひかれそうになったり、空腹であったり、誰かが怒っている表情を見せるなども含まれます。

報酬とは生存に有益なもの、つまり食べ物やお金、性行為などを指します。

多くの情報の中から何に、どのように注意を多く向けるかを伝えるのが先ほど出てきた大脳辺縁系の仕事です。その中でも「危険」に関する反応は急速に生じて長く持続し抑えることが難しいのです。

脳の過度な興奮による影響

危険や報酬を察知し、大脳辺縁系の興奮を引き起こす引き金となるのは過去の体験や経験、それに伴う感情の「記憶」です。

現実の危険や想像上の危険などの記憶により大脳辺縁系が過度に興奮すると様々な脳機能の低下を起こします。

前頭前皮質機能に使えるリソースの低下

理解や想起、判断、記憶、抑制など前頭前皮質機能全ての機能の低下が起こります。普段は取るに足らない作業も必要以上に時間がかかってしまったり、大事なことを忘れてしまったりするのです。

起きた状況への反応がネガティブになる

危険だと認識した脳は興奮状態となり、さらなる危険を警戒します。ネガティブな時に起こった出来事はいつも以上に悪い方向に考えてしまうことなどはそう言ったメカニズムからなります。

慢性的ストレスホルモンの値が高まる

長期にわたって過度な興奮状態にあると、血中のコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンの値が慢性的に高くなります。この状態は「記憶」に形成に重要な役割の脳の部位の成長を止める恐れもあります。

感情コントロールするための具体的な方法

これらのメカニズムを理解した上で怒り、不安、恐怖などの情動反応が起こった時の対処法をご紹介します。

情動興奮を抑える効果があるのは言葉にすること

先ほど大脳辺縁系が興奮すると前頭前皮質に使えるリソースが減少するとありましたが、これは逆にも言えることです。前頭前皮質を活性化させることで大脳辺縁系の興奮を和らげることが出来ます。

方法としては情動を言葉で言い表すことです。

「プレッシャー」を感じている。「寂しい」と思っている。など今の自分の状態を言葉で表現しようとすることで前頭前皮質が活性化されるのです。言葉はできるだけ短くてシンプルなものがいいです。

ストレスをコントロールできると自覚する

脳は自分でコントロールできないと思ったことに対してストレスを感じます。人間関係などでストレスを感じやすいのはまさにこの理由からです。

他人を自分の思い通りにコントロールすることはできないため回避方法がわからず過度のストレスになりやすいのです。

しかしそのストレスを回避可能であると自分が感じることができればその影響は大幅に軽減されます。

これは事実がどうであるかではなく、自分が感じるかどうかが重要であり、そのコントロールできているという感覚が錯覚であったとしても認知機能が保たれるのです。

ストレスをコントロールするためには

1情動反応に点数をつける

感じた情動を言葉にし、それぞれに点数をつけます。情動を評価できる状態にすることで、無理に感情を押さえつけるようなストレスはなく、客観的に自分を評価することができ、情動反応を和らげる効果があります。

2問題を整理し、優先順位を決める。

まずは情動反応が起こった際に自分が問題だと感じている出来事や重要としている考え方を整理します。

その中から対立する価値観を見つめ直し、少しずつ目指す状態のために変えていくことを探して行きます。

3別の人物の視点に立ち評価する

人の考え方は非常に固定化しやすく、知らず知らずのうちに自分だけの狭い視野で物事を判断してしまいます。

改めて別の人物の立ち位置になり問題を見直すことで違う視点で評価することが出来ます。

コントロールして幸福度の高い生活を

私たちの情動反応は結局は自分の評価で生じており、評価を変えれば情動反応は変わります。

そしてこのようにコントロールできる人の方が、感情を無理に抑制する方より明らかに幸福度が高いという実験結果もあります。

このようにコントロールするための方法はストレスの負荷が大きい状態で自分一人で行うには難しい場合もあります。その際は専門家の力を借りて自分の価値を知り、評価を変え、少しずつ情動をコントロールできる状態を作り出してみてはいかがでしょうか。

参考)デイビッド・ロック「最高の脳で働く方」Discover,2019年.

RECOMMENDこちらの記事も人気!

PAGE TOP