【貧血】鉄鍋から鉄分摂取。

こんにちは、ウェルビーイングナースのゆかです。

さて、前回の栄養ブログでは、鉄分不足による貧血のお話しをしました。そして鉄分不足を補うために、鉄分の多い食べ物の摂取をおすすめしました。

特にレバーは鉄分を多く含んでいる食材ですが、実は苦手という方も多いのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。またレバーは嫌いじゃないけど、手間がかかるから中々食卓には取り入れにくいという方もいるでしょう。

そんな方々のためにお勧めしたいのが、食材を調理するのに使う鍋から鉄分を摂取するという方法です。

鍋から鉄分摂取なんてできるの?と思われた方もいるでしょう。

実は鉄製の鍋やフライパンで調理するだけで鉄分を摂取することができるのです。今日は鉄製の調理器具から鉄分を摂取する方法と、そもそも鉄分とはどのようなものなのか、身体での吸収の仕組みについても解説していきます。

鉄分の種類

ヘム鉄・非ヘム鉄とは?

身体の中に吸収される鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄というものがあります。

ヘム鉄とは肉や魚に多く含まれるもので、鉄がタンパク質に包まれているので吸収率のよい鉄分です。

一方非ヘム鉄とは、ほうれん草やプルーンなど主に植物性の食べ物に含まれる鉄分です。この非ヘム鉄は、タンパク質には包まれていません。ヘム鉄よりも吸収率が低いといわれていますがビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取することで吸収率が上がります。

タンニンやポリフェノール、食物繊維などと一緒に摂取すると吸収が阻害されるといわれていますが、実際にはほとんど影響がないため気にしなくてよいとする考え方もあります。

鉄の鍋から鉄分摂取

以上のように、鉄はどんな食材から摂取するかで吸収率がかわってきます。バランスよい食事を心がけることは大切ですが、すべての栄養素に気を配って毎日の食事を考えることはなかなか大変なことです。

簡単な鉄分摂取の方法として鉄製の調理器具による鉄分の摂取を紹介したいと思います。

調理をするときに鉄製の鍋を使用することで鉄が料理の中に溶け込むことがわかっています。

特に鉄分が溶けだしやすいのはお酢を使用した調理の場合です。酸によって鉄分が溶けだしやすくなるのです。また鉄でできた卵を調理中一緒に煮込むという方法もあります。

なかなかレバーや鉄分の多いものを食べられない、またはめんどくさくて中々鉄分摂取のことまで考えて献立を考えられないという方は試してみてもよいのではないでしょうか。

サプリメントによる鉄分補給

もちろん治療のために鉄剤を飲んでいる場合は別ですが、基本的には食事から補給できるようにすることをお勧めします。

鉄分は身体になくてはならない栄養素ですが、逆に過剰に摂りすぎると胃腸の調子を崩すなどの副作用もあります。

本当は鉄が不足していないのにサプリメントで鉄分を補給することで摂りすぎになることも考えられます。ただし基本的に食物からの鉄分摂取で過剰症となることは気にしなくてよいと思います。

特に持病が無くても鉄欠乏になる理由として多いのはダイエットです。栄養バランスを考慮せずに無理をしたダイエットを行って鉄分が不足してしまうのです。

身体がスリムになっても栄養不足になってしまっては美しいボディはゲットできません。

ダイエット(減量)を行うときは、栄養にも気を配って、見た目も中身も美しくなれる身体を目指しましょう。

参考文献

厚生労働省 統合医療に係る 情報発信等推進事業

調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化

鉄代謝の生体に及ぼす影響

【貧血】息切れや疲れの原因は鉄不足かも。

こんにちは、ウェルビーイングナースのゆかです。

今日は動悸・息切れや疲れやすさ、に関わる貧血のお話しです。貧血というと生理があるため女性のイメージですが、もちろん男性にもかかわるお話です。最近けだるさやちょっとした運動で息切れする方はぜひ貧血について学んでみましょう。

貧血とは

そもそも貧血とはどのような状態をいうのでしょうか?

貧血の定義

貧血とは「血液中のヘモグロビン濃度が基準値より低下した状態」をいいます。しかし実は貧血の指標となる検査項目はヘモグロビン値だけでなく、ヘマトクリット値や赤血球数などもあります。

ヘモグロビンとは

赤血球の中にある、鉄と結合しているタンパク質のことです。ヘモグロビンは肺で酸素と結合し、体中に運んだあと二酸化炭素を回収します。ヘモグロビン濃度が低下すると体中の組織が酸欠になってしまうのです。

WHOのヘモグロビン基準値は、成人男性13g/㎗、成人女性12 g/㎗ 。

貧血の症状

では貧血になった場合どのような症状が出てくるのでしょうか。

よくある症状としては、頭痛・めまい・疲れやすい・動悸息切れなどです。見た目の変化としては、眼瞼結膜が白くなる(あっかんべーをしたところが白くなる。本来はピンク色)。

貧血の原因

貧血の原因は実はたくさんあるのですが、今回は一番頻度の高い鉄欠乏性貧血について説明したいと思います。

鉄欠乏性貧血とは

鉄欠乏性貧血とはその字の通り、鉄がふそくすることによる貧血のことです。先ほどヘモグロビンは鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結合したものだと説明しました。つまり鉄(ヘム)が不足することによってヘモグロビンの合成が少なくなってしまうのです。

血液中の鉄が不足したときの身体の反応

身体にはある程度鉄を貯蔵しておける仕組みがあります。それがフェリチンです。フェリチンは鉄を細胞内に蓄えておく働きをします。鉄分が減少した場合はまずこのフェリチンから鉄を供給します。トランスフェリンという運び屋が貯蔵している鉄を血を作る細胞まで運びます。この時点では蓄えた鉄を利用できるのでヘモグロビンは低下しません。貯蔵鉄が尽きるといよいよヘモグロビンは濃度が低下し始め、症状も出てくるようになります。

どうして鉄が不足するのか

鉄の不足にもいろいろな原因があります。

まずは鉄の摂取不足です。ダイエットや偏食により、鉄の摂取量が不足することがあります。

次に胃を切除している場合です。鉄は胃酸の働きによって吸収しやすい形にかわります。胃を切除していると胃酸が無いので鉄の吸収不足が起こるのです。

血を失うことによるものもあります。生理や消化管からの出血により血液と一緒に鉄も失われてしまいます。

さらに成長期や妊娠授乳による鉄の必要量が増加することによる鉄不足もあります。

鉄不足予防の食事

では鉄の摂取量を増やすための食事についてみていきましょう。

鉄分を多く含む食べ物

まずは鉄分を多く含む食品の代表として良く知られているレバーです。中でも豚レバーは牛や鶏のレバーに比べて鉄分の含有量が多いです。

またレバーには劣るもののカツオなどの赤身の魚にも多くの鉄分が含まれています。普段の食事に取り入れやすいものとしては鶏卵もあげられます。

野菜の中で鉄分が多いのは、小松菜・ほうれん草・ひじき・枝豆などです。レバーは苦手という方も多いと思うので、野菜や卵からこまめみ摂取することも大切です。

ぜひご自身の食事をふりかえってみて、鉄分が足りているかチェックしてみましょう。

参考文献・URL

「病気がみえる Vol.5 血液」 第一版 MEDIC MEDIA

厚生労働省 e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-074.html

PAGE TOP